交通事故は自動車だけじゃない、自転車の交通事故にも賠償金が必要

交通事故の件数で最近増えているのが自転車に関する交通事故です。
自動車と違い、免許をもっていなくても簡単に乗ることができるだけでなく、交通法規が明確に定まっているわけではないため、本当はしていけない歩道の走行なども黙認されていたり、イヤホンをつけたまま走行したりする行為も至る所で行われています。

ここ最近になり、こうしたユーザーに対する処罰が行われるようになっていますが、それでも広まりは限定的です。
こうした交通事故でも賠償金は発生します。

1億円近い賠償金が発生するケースも

自転車と歩行者の衝突事故では、自転車側に対し、1億円近い賠償金が発生したケースがありました。
これは交通事故により、被害者の方が寝たきり状態になったことも原因となっており、将来の介護費用や逸失利益、慰謝料などでこれだけの金額となっています。

自動車と違い、保険に加入している人は少なく、これらすべてを負担することになり、結果として自己破産に追い込まれる人も存在します。
これに限らず、無灯火運転で歩行者と衝突し、多額の賠償金を支払うケースも増えており、自転車であったとしても責任が軽減されるということがありません。

まだまだ低い保険への加入

全国には7000万台から8000万台の自転車が存在すると言われており、そのうちの3000万台が日常的に利用されています。
しかし、保険の加入率は1割にも満たないという状況で、多額の賠償金が発生してもそれを払いきれないという状態が当たり前になっています。

自動車の場合には自賠責保険への強制加入があり、一定の補償はなされるようになっていたり、任意保険に関しても大多数のユーザーが加入しています。
最近では子供のためにこうした保険に加入している人は増えているものの、それでも目に見えて全体に広まっているということはありません。

事故件数の比率が上昇している現実

交通事故の発生件数は昔に比べてかなり減っていますが、これは飲酒運転の撲滅など様々な効果が出てきているためです。

自転車の事故件数も減っていますが、交通事故全体の発生件数の減少よりは少なく、その比率は高まっています。

危険な乗り物であるという認識がまだまだ薄く、我が物顔で歩道を走行する人がいまだに存在し、さらなる規制の強化、取締りの徹底などで歩行者が交通事故に巻き込まれる可能性を減らすだけでなく、安心してサイクリングができるような環境整備が必要です。