交通事故での損害賠償の計算方法について

交通事故の損害賠償は、大きく分けると実際に支出が発生したもの、入るべきものが入らなくなったもの、慰謝料に分かれます。
実際に支出が発生したものは治療費や通院交通費、看護料、入院中の雑費等があり、これらのものは基本的には実費が支払われます。

逸失利益

入るべきものが入らなくなったものは仕事を休んだことによる休業損害、後遺障害により仕事を行う能力を失った逸失利益があります。

休業損害の計算方法は、会社員の場合は、休業損害証明書という所定の用紙を勤務先に提出し、休業した期間や事故前3ヶ月の支給額を記入してもらいます。
それに事故前年の源泉徴収票を、添付して保険会社に提出します。

過去3ヶ月の支給額を90日で割り、休業日数を掛けて算出します。
自営業者の場合は事故前年の確定申告書の所得額を365日で割り休業日数を掛けて算出します。
自営業者の場合は休業日数を証明出来ないため基本的には入院や通院日数を休業日数として算出します。

重傷の場合は入院や通院日数の2倍の日数を休業日数とする事もあります。
また損害賠償としては特殊ですが収入減はないものの家事従事者の場合は日額5700円に入院や通院日数を掛けて算出します。

労働能力喪失期間

逸失利益は、後遺障害の等級に応じて何パーセントの労働能力を喪失したか基準があるので、事故前年の年収額に労働能力喪失率を掛けて、何年間労働能力を喪失したかを掛けて算出します。

この労働能力喪失期間は、基本的には67歳までとされていますが、後遺障害の内容や年齢によって違いがあります。
また労働能力の喪失率も後遺障害の内容によっては基準よりも低い割合になる事もあります。

例えば顔面に傷痕が残った後遺障害では普通の職業であれば労働能力には影響を与えないので労働能力の喪失はゼロとされることもあります。
交通事故の慰謝料も一定期間の基準があります。

慰謝料

慰謝料は怪我の慰謝料、後遺障害に対する慰謝料、死亡に対する慰謝料の三つに分かれます。
怪我の慰謝料は怪我の内容と入院や通院の期間によって算出されます。
期間が長いほど金額が大きくなるので、調子が悪ければ無理をせず治療をうけないと慰謝料が少なくなります。

後遺障害の慰謝料は等級に応じて決まっています。
死亡の慰謝料は家族構成や被害者が家庭内でどのような立場にあるかで変わってきます。

交通事故の損害賠償は一定の算出方法が決められているのであまり無理を言っても認められることは難しいので、注意が必要です。