交通事故の交渉の中では賠償金に直結することに関しても話し合うことになりますが、そのひとつとして重要なのが過失相殺です。
実際には相殺というのは過失が決まった後で行われることですから交渉の中で決定されるのは「過失割合」なのですが、これは非常に重要なポイントになります。
ではこの割合とは一体何で、相殺が起きるとどうなるのでしょうか。
交通事故の責任を決める過失割合とは
ではまずは過失割合についてですが、これは当該事故の内容について関係者のどちらに責任があったのかということから決定される割合のことです。
例えば分かりやすい例として、Aさんが運転する車が赤信号で停車中にBさんが前方不注意によって激突した事例を考えてみましょう。
この場合Aさんは法令を順守して安全に停車していたにもかかわらずBさんが前方不注意という過失によって事故を生じさせたわけですから、語弊はありますがBさんが完全に悪いことになります。
よってAさんが0、Bさんが100の100:0という割合が適用されるわけです。
細かな割合についてはそれぞれの交通事故の状況によって変わるためケースバイケースとなりますが、交通事故ではこの割合が必ず求められることになります。
過失割合による過失相殺とは

ではこの割合が決まった後の過失相殺についてですが、これは「事故による損害額-(100%-自身の過失割合)」という式が重要なものになります。
例えば70:30の事故が発生して自身が30の過失割合を持ち、損害額は100万円だった場合には100万円-(100%-30%)という式で計算し、過失割合に基づいた総裁の結果70万円の賠償を受け取るのが妥当といった形になります。
現在の法律において事故が発生した場合には双方が相手に対して賠償の責を負うと規定されているため、過失割合が0ではないのであれば明らかに相手にぶつけられたなどの場合でも賠償の責任を負わなくてはなりません。
しかしこれが無制限に認められると過失が無い側が相手に支払うという良くない状況に繋がりますから、先ほどの式で賠償額を求めるわけです。
過失相殺は交渉によって変わる可能性がある
ここまでで触れてきた過失相殺について注意をしたいのが「交渉によって最終的な過失割合が変わることがある」という点です。
特に相手の保険会社と個人である被害者が交渉をする場合、保険会社側からかなり不利な過失割合が提案されることが少なくありません。
加えて交通事故は加害者も被害者も、お互いに自分に責任はないと考えたくなるのが普通ですから交渉の中で最初に提示されたものを何も考えずに受け入れてしまっては、本来受け取れるはずの賠償金が受け取れなかったり、最悪の場合賠償をする必要が無いのに賠償金を支払うことになりかねません。
これが決定されるのは示談書にサインした瞬間ですから、それまでに冷静になってしっかりと交渉するようにしましょう。