交通事故にあった被害者が請求できる積極損害とは？

交通事故の被害者になると、交通事故に巻き込まなければ支払うことのなかった出費というものが数多く出てくることになります。
こうした本来支払う必要のなかったものを支払うことで発生するものを積極損害と言います。

積極損害はそれまでに支払われたものだけが対象ではなく、将来、支払わざるを得ないようなものまで対象として含まれることになります。
もちろんすべてが対象ということではなく、交通事故との因果関係のない出費は当然のことながら積極損害の対象とはなりません。

一番かかるのは治療に関する費用

積極損害の中で一番費用がかかるのは被害者の治療費です。
入院費用、通院費用だけでなく、鍼治療、マッサージ治療など様々なものが対象となります。
病院に支払うことになった費用すべてが対象となるため、領収書の管理などの徹底が求められることになります。

対象となるのは、症状固定されるまでの治療費で、それより先の治療費に関しては積極損害の対象とはならないので注意が必要です。
また、治療の中には交通事故とは関係のない過剰な治療や手厚い治療なども含まれることがあり、こうしたものも対象にはなりません。

意外とかかる交通費と付き添い費用

通院交通費も積極損害の対象となりますが、通院交通費に含まれるものとして被害者自身の交通費、付き添いのための交通費などです。
通院する場合、公共交通機関などを利用することになりますが、その費用が対象となります。

その場合にタクシー利用を巡って認めるかどうかの戦いが行われますが、タクシー利用がどうしても必要な場合には認められ、やむをえない事情が認められない場合には除外されてしまい、公共交通機関を利用したのと同じ料金の請求しかできません。
看護のためにわざわざ海外から近親者のために駆けつける際の交通費も損害の対象となります。

対象となるものは他にもある

例えば、赤ちゃんや小さな子供など1人では通院できないような人の場合、通院付添費というものが発生し、1日あたりの決められた金額が損害として認められます。症状によって増減することもあり、症状が重ければかなりの金額が発生することになります。

他にも、入院で必要となった雑費、社会的に認められる範囲での医師への謝礼、器具などの購入費用、将来の介護費用、家屋などの改造費用、葬儀費用や弁護士費用なども対象となります。
そのため、かなりの額にふくらみ、これらを示談交渉において相手側に求めていくことになります。