自動車保険の勘定科目の扱い方について

自動車保険には、強制加入の自賠責保険と任意保険がありますが、どちらも事業として自動車を運行する場合は不可欠な費用です。

一般的に自動車保険というと、任意保険を指すことが多いですが、”任意”とは加入してもしなくてもよいという意味ではなく、年齢状況や運行距離数、補償内容によって保険料を”任意”に調節することができることを指しています。

損害保険料など

事業経営の帳簿記録の目的は、会社の収益状況の正確な把握です。
勘定科目は、標準的にはこれを使うという基準はありますが、所得計算から税金の計算に不都合がない限り、会社の会計方針によって選択の幅が認められています。

自動車保険を計上する可能性がある勘定科目としては、保険料、損害保険料、車両費などが上げられます。

自動車関連費用

自動車の運行は、広い意味で旅費交通費に含める考え方も可能ですが、保険料が他の費用と異なる特徴の一つが消費税が非課税であることです。

そのため、ガソリン代や電車等の運賃、高速代などを計上する旅費交通費には含めず、保険料に計上することが多いですが、会社の事業内容によって、保険料の勘定科目の中身が多様である場合があります。

事業所などの不動産をたくさん所有していて、火災保険や地震保険の掛け金が多いときに、自動車保険もその中に含まれると、自動車関連の費用と設備関連の費用が混在してしまうため、経営判断に必要な情報が得にくい場合も考えられます。

また、事業が会社ではなく個人経営の場合、自動車関連費用には事業割合の計算を要するケースがあります。
これは、自家用車と事業に使う車が共用である場合に、ガソリン代や維持費などをすべて、家事用と事業用に明確に区分することが難しいため、例えば週3日使うなら7分の3を必要経費、7分の4を生活費に計上する方法です。

このようなときに、自動車関連の費用を、税金・保険・維持費などまとめて車両費に計上しておくと、自動車関連費用の総額把握に便利です。

保険料・車両費

勘定科目にはこれでなければいけないという正解はなく、費用は悪の目的が、内容にかかわらず保険契約にいくらかかっているか把握したい場合には保険料、車両の維持にかかっている総額を把握したい場合には車両費というように、集計の目的に合わせた勘定科目に計上すると効果的です。

なお、年払いの保険料を支払った場合は、月数に応じて前払い費用に計上するか、1年以内の短期前払い費用は単年度の必要経費にすることができますが、複数年の保険料を一括で支払った場合には、月数計算による期間按分が必要です。