自動車保険の休業補償とは？慰謝料とどう違うの？

自動車保険は主に自動車との事故を起こしてしまった時にその損害を補償してもらうための保険です。
この保険で最も重要なものとされるのが慰謝料で、これが支払われるからこそ被害者は事故による被害を回復させることができます。

ですがこの慰謝料は最も重要なものであるものの、これだけで全ての補償になるわけではありません。
特にすでに働いている人が確認しなくてはならないのが「休業補償」の存在なのです。

休業補償ってなに？

では休業補償とは何かというと、これは仕事を休んだことで直接的に生じた損害を回復するための補償です。

慰謝料は事故によって生じた精神的な苦痛を回復するために支払われるものであるのに対して仕事を休んだことで直接的に生じた損害を回復するものですから役割は全く違います。

例えばある人、仮に工場の生産ラインスタッフが交通事故の被害にあって腕を骨折したとしましょう。
この人は仕事で自分の腕を動かさなくてはならないわけですから、骨折が治るまでは通常の仕事が行えません。

そうなると一時的に仕事ができずに収入が低下するわけですが、この分を補償するのが休業補償なわけです。

具体的な計算方法とは

では具体的にはどう計算されるのかというと、これは自動車保険の会社ごとに違うために何とも言えません。
ただ傾向的にみると本来得られた収入がそのまま適用される、例えば仕事を休んだことで収入が5万円減ったのならば5万円が支払われるといったようになることが多いです。

ちなみに自賠責保険の場合は1日5700円を基本として休業日数をかけた分を、裁判による弁護士基準の場合は事故直前の三ヶ月の給与額÷90日で算出された一日当たりの基礎収入を休業日数分支払うといった形になるのが一般的です。

休業補償はトラブルになりやすいだけによく交渉することが大切

しかしこうした休業補償という部分については自動車保険会社との交渉でもかなりトラブルになりやすい部分です。
特に専業主婦や自営業といったように一日当たりの収入が見えづらい人の場合は自動車保険会社の言い分によって支払われる額が大きく減額されることもあります。

そうなってしまうと本来受け取れたはずのものを知らず知らずのうちに諦めるということにもなりかねませんから、こうした補償もあるということを知っておくのは大切なことです。

もちろん嘘をついて高額な請求をするのはしてはいけませんが、交通事故の被害にあってしまった時には慰謝料の他にもこういった保証が受けられるということを必ず覚えておきましょう。