自動車保険で保険金を受け取った場合の贈与税について

ドライバーの多くが自賠責保険のほかに任意保険（自動車保険）を利用しています。
任意保険の特徴として、事故があった際の補償の手厚さを契約者自身が決定できる点が挙げられます。

自動車保険で受け取る保険金は利益ではない

そのため、自動車保険で保険金を受け取るとき、個々で補償額が異なってきます。では、自動車保険で保険金を受け取った場合、保険金には贈与税が適用されるのでしょうか。
まず、前提として、自動車保険で受け取る保険金は「利益」ではないということを頭に入れておきましょう。
保険金は確かに個人の収入ではありますが、そもそも保険金の支払いが生じる原因は事故による損害で、あくまでもそれを補償するためのものなのです。
ですから、名目上は収入であっても、利益とは考えられていません。
そのため、税法上基本的には保険金を受け取ったことで税金がかかることはありません。

保険金の種類

次に、受け取った保険金の種類を確認してみましょう。
保険加入済みのドライバー自身の損害を補償する傷害保険、保険会社が加害者に代わって被害者に支払われる賠償保険、保険を契約した車両が破損したときに支払われる車両保険が、自動車保険で受け取れる保険金の主だった種類です。

これらはいずれも、前述したように損害を補償するものなので税金はかかりませんが、傷害保険の中で死亡保険金だけは税金がかかることがあります。

死亡保険金も、契約者が支払われる保険金の金額上限や受取人を自由に決めることができますので、受け取る金額は契約内容によりさまざまです。贈与税も税率は受け取った金額に対して決められるため、納税の必要がない場合もあります。

死亡保険金に贈与税がかかる場合

では、死亡保険金に贈与税がかかるのはどんな場合なのでしょうか。
契約者（被保険者、亡くなった方）が保険料を負担し、配偶者や子供など法定相続人が受け取る契約が一般的で、この場合は受け取った相続人が金額に応じて相続税を納税することになります。
ですが自動車保険は受取人を自由に決め保険料の支払いも契約者以外が行えますので、例外も出てきます。

契約者でも受取人でもない第三者が保険料を負担していた場合です。
具体的には、契約者が結婚していて、受取人を兼ねた相続人が奥様や子供、保険料の支払いは契約者の親がしていた時、奥様が贈与税を支払わなければならないということです。

もし保険料の支払いをしていた親が受取人になっていた場合は、相続税はかかりませんが一時的に所得があったとみなされ所得税がかかり、親が納税しなければなりません。