自動車保険の契約者と被保険者の違いは？

自動車保険における契約は保険会社と契約者との間に交わされる契約のことを指しています。
つまり、契約者とは保険会社に対して申し込みをする人のことを言います。

自動車保険の契約者、被保険者とは

契約ではなく申し込んだ段階では申込人と言います。
契約成立後、申込人は契約者となり、保険料の支払い義務を負うことになります。
契約の当事者となった契約者は保険料の支払い義務だけではなく、告知義務も同時に負うことになります。
契約を解除する権利でもある契約解約権や保険料返還請求権も有することになります。
保険料返還請求権とは契約解除時に返還保険料を受領する権利のことを指します。
被保険者とは保険の対象になる人や保険の補償を受ける人のことを指しています。
あくまでも保険の対象となる人を指しているため、契約者とは別人であることもあります。
契約者と同一の人である場合と別人である場合が考えられます。
契約者と共通する義務として告知義務を負っています。
被保険者は経済的な利益を有していることが求められます。
被保険者と契約者が異なる場合、契約者ではないため事故発生時に生じる保険請求権以外の契約解約権や保険料返還請求権は有していません。

損害防止義務とは

一方、告知義務や通知義務、損害防止義務は負っているため注意が必要です。
損害防止義務とは保険事故の発生が確認された際に、損害の発生と拡大の防止に努めなければならないという決まりです。
これは任意規定となっています。保険法第１３条により定められています。
契約者、被保険者は双方とも法人でも問題ありません。個人に限定はされていません。
一般的に火災保険や損害保険の場合は契約者と被保険者は同じであることが多くなっています。火災保険や損害保険は住宅を対象としています。
自動車保険や傷害保険の場合は必ずしも同じであるとは限りません。契約のしかたにより異なっている場合も多く見られます。

家族全員を対象とした例

例えば、家族全員を対象とした自動車保険を父親が契約したとします。
父親は保険料を支払う契約者となります。
この場合は契約者が父親であり、父親を含む家族全員が被保険者となります。
同一の人がなる場合もありますが、例のように自動車保険において契約者と被保険者が異なる可能性は大いにあります。
家族で保険に加入する際は事前に情報を把握し、適切な判断を心掛けることが必要になります。
自動車保険における契約者は契約の当事者となり保険料の支払いをする人です。
一方、被保険者は保険の対象となる人を指します。これらが二つの違いとなります。