なぜ料率改定をするのか|自動車保険の基礎知識

自動車保険の保険料は、一度定めれば、未来永劫同じ保険料ではありません。
最近では、2015年10月1日に自動車保険の料率改定がありました。

新しい保険料体系に従って自動車保険を契約する

料率改定以降の保険契約は、新しい保険料体系に従って自動車保険を契約します。
この料率改定は、損害保険料算出機構のデータに基づいて、各保険会社が検討し行われます。車両や年齢によって保険事故の頻度が異なるためです。

例えば、スポーツカーに乗る保険契約者は、スピードを出す傾向があり、重大事故が多かったり、高齢者の不注意事故が多ければ1事故の損害額は少額でも回数が増え合計の保険金支払額が多くなります。

また逆に、ある年齢層が慎重な運転をする傾向にあれば保険金額の支払いが減ります。
損害保険会社は、利益を追求する民間会社です。増大する保険金額を是正するためには、料率改定は不可欠なこととして行います。

改定の背景と傾向を把握して置く必要がある

10月の料率改定では、これまでの値上げ傾向に終止符を打ち、平均保険料は値下げ・据置きが行われました。損害保険料算出機構が昨年開示したデータでは、対人保険料が年齢によりばらつきがあるものの、対物保険料が概ね引き下げられたためです。

自動車保険料の大部分は車両保険料、ついで対物保険料が占めます。
つまり対物保険料の方が対人保険料より高額になります。これは対人事故件数の方が少なく、下支えとなる自賠責保険があるためです。対物保険料が下がれば、全体の保険料は下がります。

平均的に引き下げ傾向にあっても、補償内容や契約条件によっては引き上げられたケースもあります。車両保険の契約が無い場合や若年・高齢運転者の保険料は引き上げられています。条件によって保険料が上がったり下がったりするので、改定の背景と傾向を把握して置く必要があります。

料率改定は、一般社会の交通事故状況を反映したもの

平均保険料の低下は、2013年から実施された事故によるノンフリート等級制度の改定や事故多発層の保険未加入などが要因です。

改定時に気を付けたいのは、値上げ・値下げ・据置きの傾向を知り、前年同条件の新保険料を抑えた上で、年齢条件・運転条件。補償内容を検討することです。

前年同条件で値上がりするようであれば、保険内容を見直すと同時に、一般社会の傾向を知り、慎重な運転の心掛ける必要があります。

逆に値下がりする場合は、安心せず、値上がりしている傾向をおさえ、日ごろの運転に活かすようにしなければなりません。自動車保険の料率改定は、一般社会の交通事故状況を反映したものになっています。