交通事故での保険会社による損害賠償額算定基準とは？

交通事故の被害者になった場合には、保険会社から損害賠償として保険金が支払われるのが通例です。
こうした損害賠償額の算定基準には、いくつかの種類があることが知られています。

交通事故の損害賠償

交通事故の被害者となった場合、加害者となった相手に対しては、不法行為にもとづく損害賠償を請求することが、民法上も認められているところです。
しかし、法律そのものには、そうした権利がある旨が記載されてはいるものの、具体的にどの程度の金額に該当するのかなどといった、こまかなことは書かれていません。

たいていは当事者である加害者と被害者が話し合いをして、示談というかたちでその金額についても合意を図るのですが、それにしてもある程度の算定基準のようなものがなければ、なかなか話し合いのいとぐちをつけることもむずかしいものです。
そこで、この分野では損害賠償額のめやすとなる、いくつかの算定基準がもうけられています。

算定基準の種類

交通事故の損害賠償額にかかる算定基準ですが、まずは自賠責保険で用いられている基準があります。

これは法律ですべての自動車が加入することになっている強制保険である自賠責保険において、国が提示するというかたちで保険金の金額を具体的に決めているものであり、被害者救済のための最低限の給付という観点から、かなり金額的には低いレベルにとどまっているきらいがあります。

次に、弁護士または裁判所の基準と呼ばれるものがあります。

これは、過去に損害賠償をめぐって裁判となった際の判例をもとにして、どの程度の損害であれば、どの程度の損害賠償額が必要かを割り出したもので、弁護士に示談を依頼した際や、裁判による解決を依頼した際に用いられるものといえます。

そして最後に、保険会社による損害賠償額の基準が挙げられます。

保険会社による損害賠償額の算定基準とは

任意保険を提供しているそれぞれの保険会社では、いわば内規のようなかたちで、事故の態様と保険金の金額を対応させた基準をつくっています。
具体的に交通事故にともなう保険金の支払い請求があった場合には、この基準に照らして妥当な範囲で保険金の金額を決定して、支払いを行うこととなります。

たとえば、交通事故の慰謝料であれば、入院の日数、通院の日数に応じて、金額としていくらが適当かといった内容が書かれた表がつくられていると考えればよいでしょう。
ただし、現在は自動車保険の分野は自由化されていますので、それぞれの保険会社によって、基準のしくみは異なっている可能性があります。