自動車保険の保険料はリスクが低いほど安くなります。運転する人の範囲を限定することでリスクを抑え、保険料に割引が適用される特約があります。
リスクの細分化
自動車保険に契約する時には、補償内容はじめ車種や誰が運転するか、運転する人の年齢などを一つ一つ選んで設定し、それによってリスクの高低が図られて保険料を組み立てていくやり方です。
この方式は最近の自動車保険のメインになっていて、リスク細分化型と呼ばれています。
例えば車種であれば、排気量の大きい車ほど万が一の事故の時には先方に大きな損害をもたらしてしまいますのでリスクは高いとされますし、運転者の年齢条件であれば若い人が運転する設定であるほどハイリスクとされ保険料は高くなっています。
自動車保険の保険料は高くなりがちなので、少しでも安い保険プランをと探す人が多いのですが、対人・対物の補償は自賠責でカバーしきれない部分を補う意味でできれば無制限にしておきたいところですし、若い人が運転するのであれば、保険料が高くてもその人に合わせた運転者年齢条件に設定しておかなくてはなりません。
運転者の限定でリスクを下げる
自動車保険にはいろいろな特約があります。その中には、契約の対象になる車を運転する人の範囲を限定することで保険料を抑えられる特約があります。これを運転者限定特約と言います。
運転者限定特約を利用すると、不特定の人が運転するのではなく決まった人だけが運転するという条件がつくことで事故を起こすリスクが軽減されるためその分保険料が割引される仕組みです。
運転者限定特約は一般に本人限定、本人および配偶者限定、家族限定の3タイプあります。本人というのは契約書に記載されている被保険者で、割引率の大小はその人しか運転しない本人限定で一番大きく、ついで本人・配偶者限定、家族限定の順です。
記名被保険者本人とその配偶者しか運転しないということであれば、運転者を本人・配偶者に限定する特約をつければ保険料を抑えることができます。
ここで、配偶者というのは自動車保険の契約書に記載されている記名被保険者の配偶者なので、同一世帯に親夫婦と子供夫婦がいる場合はどちらの夫婦を運転者として限定するのか要注意です。
親夫婦・子供夫婦ともに運転するのであれば、配偶者限定ではなく家族限定にするのが適切です。
限定特約や年齢条件の見直し時
運転者の限定特約を利用すると、保険料に割引が適用されるので支払う保険料を抑えることができます。こうした特約は、その自動車保険に契約している車を運転する人に変更があったらすぐに見直す必要があります。
例えば運転者を本人・配偶者限定にして自動車保険に契約している車を、免許を取得した子供も運転するようになるというケースがあります。
このような場合には、運転者の限定を解除したり年齢条件をその子供に合わせて変更する手続きをすみやかに行わなくてはなりません。