交通事故で被害者になった場合、示談交渉に納得いかない場合は？

交通事故で被害者になった場合、その問題が解決するのは示談交渉が完了した後となります。
示談の条件は慎重に考えなくてはならないということは誰もがよく理解していることですが、しかしながら実際に完全に納得できる条件で示談がすぐにまとまることは少ないものです。

そうした際には「条件に納得が出来ないが示談交渉を終わらせるかどうか」という悩みを抱えることになるでしょう。
ではこの場合はどうしたらよいのでしょうか。

内容に納得が出来ない状態で終わらせるのはまだ早い

まずこの対応をどうするべきかということで基本となるのは「内容に納得がいかないなら合意をするべきではない」となります。

もちろん損害額が100万円なのに1億円を支払わせようなどの条件で粘るのは無意味ですが、現実的な範囲であると考えられるのにその条件に近づかないのであれば、まだ合意をするのは早いと考えた方が良いです。

加害者からしても交渉が終わらないと交通事故の処理が完了しないのですから、粘ることで譲歩を引き出せる可能性は高いでしょう。
そのため納得が出来ないというのであれば、納得できるまで交渉を継続するのが最善策となります。

納得できる条件が出てこないなら専門家に依頼するのもあり

ただ被害者側の言い分がそのまま示談条件に反映されることは少なく、多少の譲歩は被害者側も行わなくてはなりません。
ですがそれでもまだ納得が出来ない場合、多少費用はかかってしまいますが専門家に依頼するのも考えるべきでしょう。

おおよその場合は保険会社が交渉に当たりますが、保険会社ではらちが明かないというのであれば弁護士に依頼をするべきです。
弁護士は賠償金を支払うわけではありませんから客観的な立場から意見を述べてくれますし、正式に依頼をしたのであればその後の示談交渉を引きうけてくれるようになります。

示談が終わるのは示談書にサインをした瞬間

さて、最後に最も重要なポイントとして覚えておきたいのが「示談交渉が終わるのは示談書にサインをした瞬間である」ということです。

示談書とは示談の内容が記載された書類のことであり、この書類にサインがされた場合にはお互いが条件に納得して示談に応じたという証明になります。

加えてこの書類には「今後この交通事故に関して賠償請求をしたり訴訟を起こすことはしません」という但し書きがありますから、サインをした場合にはもう今後、示談の条件を再設定することは出来ません。

一応示談書にサインをした後で後遺症が発覚した場合には再交渉を行える可能性がありますが、これも「示談成立後に後遺症が発覚した場合には100万円を追加して支払う」などの記載があることで不可能になります。

何にせよ示談書にサインをするということは非常に重いことですから、納得が出来た段階でサインするようにしてください。