交通事故における精神的苦痛に対して支払う慰謝料とは

交通事故の被害者になると、加害者に対して損害賠償金の請求権が生じます。
その中には怪我をして入通院をする場合、死亡した場合、後遺障害が残った場合とそれぞれのケースに応じた慰謝料が含まれています。
これは精神的苦痛に対する補償であり、損害賠償金において大きな割合を占めます。

交通事故に遭った際の慰謝料とは

交通事故の被害者となると、加害者に対して損害賠償金の請求を行うことになります。

損害賠償金の内訳としては、事故によって損害を受けた車輌の修理費用、怪我の治療費（完治するまであるいは症状固定となるまで）、入院の際の雑費、通院交通費、怪我の治療のために仕事を休んだ際の休業損害補償などがありますが、損害賠償金の中で一番大きな割合を占めるものが精神的苦痛に対する慰謝料です。

これは事故のために負った怪我に対するもの、死亡した場合のもの、後遺障害の等級認定があった場合のものと様々な種類があります。

慰謝料の計算方法には弁護士基準を

金額については、他の治療費や休業損害補償と同様に、加害者が加入している保険会社が算出して被害者に提示します。
被害者がこの金額に納得すればその時点で和解が成立するのですが、実は算出方法は数種類存在し、保険会社は一番基準の低い計算方法を採用しているのです。

この保険会社が使用している計算方法が自賠責保険基準と任意保険基準のものです。
基本的には最低限度の補償した行わない自賠責保険基準が一番低く、これに少し上乗せした程度のものが任意保険基準の計算方法です。

しかし、これ以外にも『弁護士基準』の計算方法が存在しています。
これはこれまでの裁判例などを基にした計算方法であり、自賠責保険基準や任意保険基準よりも倍以上の額で算出されるのです。
被害者にとっては非常に有利な計算方法なのですが、保険会社側はあまりこの計算方法を採用したがりません。

保険会社との慰謝料の交渉は絶対必要です

前述のとおり、保険会社が提示してきた額以上の金額で請求することは可能なのです。
慰謝料は精神的苦痛に対する補償ですので、出来るだけ納得したい金額で和解したいところです。

そのためには、保険会社が提示してきた損害賠償金を、弁護士基準で引き直すことが必要です。
この金額をもって保険会社と交渉していくことになります。
どの計算方法を採用するかは、当事者間の合意によります。
交渉次第では弁護士基準により計算された金額を得ることが可能となります。